人工皮革の機能比較「クラリーノ・タフガード・アンジュエール・コードレ・ベルバイオ」

ランドセルの素材で人工皮革といえば、多くのランドセルで使われている素材です。

その人工皮革にもいくつかの種類があり、それぞれに特徴や違いがあります。

一つ一つ紹介していきますね。

人工皮革の特徴

人工皮革の特徴を簡単にまとめると、

【安い、お手入れ要らず、6年間使える】

と言えます。

カラーバリエーションが豊富なこともあり、多くのランドセルで採用され商品化されています。

代表的な素材の「クラリーノ」は、約7割のランドセルで採用されているほどです。

人工皮革の素材には、クラリーノの他にも下記のような種類があります。

人工皮革の種類

1. クラリーノ：株式会社クラレ
2. ベルバイオ、ベルバイオ５：株式会社FILWEL
3. コードレ：帝人フロンティア株式会社
4. タフガード：帝人コードレ株式会社
5. アンジュエール：株式会社セイバン
6. エクセーヌクラッセ、エアヌール：東レ株式会社

それぞれの素材について、特徴を紹介していきましょう。

１，クラリーノ

• 製造元：株式会社クラレ
• 開発：1964年にクラレが世界で初めて人工皮革の事業化に成功
• 特徴：軽い、水に強い、お手入れが簡単
• 使用メーカー：フィットちゃん、天使のはね、イオンかるすぽ、他多数
• その他：ランドセルの約70%がクラリーノ製
• ：公式サイト：クラリーノタウン

ランドセル全体の約70%で使用されているクラリーノですが、クラリーノには下記の6種類があります。

素材名＆特徴	風合い	軽さ	耐傷
【クラリーノ】 発売以来のロングセラー。軽さは今でもNO1の素材です。	★★	★★★	★
【クラリーノ エフ】 クラリーノに比べてしなやかさや革らしい風合いに優れています。	★★★	★★	★
【クラリーノ トリビュート】 最近アイテムが増えてきた「メタリック調素材」です。しなやかさと高級感を兼ね備えています。	★★★	★★	★
【クラリーノ レミニカ】 耐久性ではタフロックの方が優位ですが、こちらも表面が傷に強い丈夫なタイプです。	★★	★	★★
【クラリーノ タフロック】 クラリーノの中でも傷に強い最も丈夫なシリーズなので、男の子向けランドセルに多く採用されています。レミニカよりもさらに傷が付きにくくて、美しいフラットな外観が特徴です。	★	★	★★★
【クラリーノ タフロックNEO】 2020年から登場したタフロックシリーズの新作。もっとも丈夫なタフロックをベースに、軽さとしなやかな風合いを兼ね備えています。	★★★	★★	★★★

クラリーノ　タフロックNEOが新発売

2020年には「クラリーノ タフロックNEO」が新発売となりました。

タフロックの丈夫さをベースに軽さや風合いも兼ね備えた、クラリーノの完成版です。

クラリーノタフロックNEOを使用したランドセルは、こちらになります。

また、本体・かぶせ部分だけでなく、背裏素材として使用されているクラリーノ素材もあります。

クラリーノ　ロベニカ

新開発のマイクロファイバーを採用した、高強力な人工皮革です。

通気性・抗菌機能に優れているので、、ランドセルの背裏素材として使用されています。

通学時の快適性を向上しています。

人工皮革はクラリーノ以外にも種類があります。

それではクラリーノ以外の人工皮革をみてみましょう。

２，ベルバイオ・ベルバイオ５

• 製造元：株式会社FILWEL
• 開発：あらゆる分野で好評価を得ているベルエースを改良し、ランドセルに最適な素材を開発
• 特長：本革のようなしっかりとした質感、傷がつきにくく、防水性も万全
• 使用メーカー：池田屋ランドセル、ララちゃん、VONSランドセル
• その他：素材も製造も「Made in Japan」

ベルバイオは素材も製造もすべて国産で、絶妙なバランスで色味・ツヤ感・深みを微調整しています。

耐久性については「柔らかくて強い」うえに、傷がつきにくいという特性もあります。

柔らかいと心配なのが、「引っ張る力」に対する耐久性です。

なにかに引っ掛かって、すぐに破れたりしたら嫌ですよね。

その点は安心で、ベルバイオは素材を五層構造にすることによって、牛革やコードバンのようにしっかりと耐えます。

また、ベルバイオは牛革の光沢感を再現していることから、頑丈で上質な素材としても注目されています。

人工皮革の軽さやカラーバリエーションの豊富さと、天然皮革の頑丈で上質である長所を併せ持った素材がベルバイオなのです。

ベルバイオの詳細はコチラから＞＞ベルバイオ

ここからはちょっとしたアドバイスですが、できれば「クラリーノや天然皮革のランドセル」と「ベルバイオ製のランドセル」の実物を見比べてください。

見た感じの風合いや触り心地など感じ方には個人差があります。

その点では、実物を確認するのが一番確実です。

ベルバイトと天然皮革の両方のランドセルがあるのは、池田屋ランドセルです。

池田屋ランドセルでは、直営店や全国展示会などで実物が展示されていますので、実物を試着＆見比べられます。

＞＞池田屋ランドセル直営店＆展示会情報

３，コードレ

• 製造元：帝人コードレ株式会社
• 開発：「天然皮革の欠点を補い、天然皮革では出せない機能を付与できないか？」と考えて開発された人工皮革
• 特長：天然皮革に良く似た構造、イージーケアでなおかつ軽くて丈夫、通気機能（エアリーソフト）もコードレの一種
• 使用メーカー：羽倉ランドセル
• その他：サッカースパイク、バスケットボール、サッカーボール、紳士靴などに採用

人工皮革で一番多く使われている「クラリーノとの違い」を羽倉ランドセルが解説していくれています。

【クラリーノとの違い】

どちらもランドセルに求められる基本性能は一通り押さえられていますが、両者は細かく比較するとやや違いがあります。

コードレはクラリーノに比べて革に張りがあるため擦れた際の傷やひっかき傷がつきにくく、水をはじく撥水力も高めといわれています。

量販メーカーのランドセルに使われている専用生地の場合は、同じコードレと名がついていても価格を抑えるためにやや機能面を妥協していますので、その点も頭に入れて選ぶことをオススメします。

汚れが付いた時は、ゴシゴシ擦らないようにご注意ください。クラリーノより擦れに強いといわれるコードレですが、本革に比べるとどうしても摩擦に弱い傾向があります。

＜羽倉ランドセル公式サイトより＞

タフガード

• 製造元：帝人コードレ株式会社
• 開発：2011年より株式会社ニトリと共同開発、2012年にタフガードライト、2013年にタフガードライトDXを開発
• 特長：毎年改良を重ねて、軽量化、パール加工、撥水化などを実現
• 使用メーカー：ニトリ、萬勇鞄、リコモン
• その他：調達から廃棄に至る製品のライフサイクルを通じて環境負荷低減に向けた配慮

クラリーノ同様に、タフガードにも種類があります。

1. タフガード：キズに強く丈夫な生地
2. タフガードライト：タフガードの生地自体の重量を10%軽量化
3. タフガードDX：タフガードをベースにパール加工と撥水加工を追加
4. タフガードDXライト：タフガードライトをベースにパール加工と撥水加工を追加

５，アンジュエール

• 製造元：株式会社セイバン
• 開発：セイバンが独自で開発したオリジナル素材で、落ち着いたマット調の表面仕上げで本革のような風合いが特長
• 特長：擦ったり引っかいたりしてキズがつきにくい、耐久性に優れた素材
• 使用メーカー：天使のはね（セイバン）
• その他：アンジュエール、アンジュエールグロス、アンジュエールパールの３種類

６，エアヌール、エクセーヌクラッセ

• 製造元：東レ株式会社
• 開発：ランドセルのために東レグループにより開発された新素材
• 特長：均質な極細繊維、緻密な不織布構造、基布の無い一層構造
• 使用メーカー：ハネッセル（水野鞄店）
• その他：超極細繊維のベースに、上質でしなやかな美しい外観のレザー調人工皮革

人工皮革まとめ

ランドセル素材として人気の人工皮革について、紹介してきました。

有名なクラリーノ以外にも、魅力的な特徴の人工皮革がいろいろなランドセルで採用されています。

それぞれに特徴はありますが、なかなか違いも分かりにくいですよね。

結論をいうと、耐久性や風合いに細かい違いはありますが、どの素材も基本性能はクリアしているので安心して使えます。

そのためランドセル選びでは、「素材の違い」を重視する方よりもカラーやデザインを重視する方が多いです。

素材にこだわりがないならば、カラーやデザインをメインにランドセル選びをしても特に問題はありません。